死者の奢り・飼育 (新潮文庫) 大江 健三郎 新潮社 1959-09-29 売り上げランキング : 101523 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ノーベル賞作家を読んでみようの
一環で手にとった本。
死体洗いのアルバイトを描いた作品、
そしてデビュー作として有名な表題作をはじめ、
大江さんの初期作品を集めた短編集です。
デビュー作は、たしか大学生のころに書いたはず。
それが信じられないほど、重厚な文体。
Wikipediaなどを見ると、実存主義をよく表現しているとあり、
そういった哲学に詳しいインテリすら、
うならせる文体だったのでしょう。
短編ながら、読みごたえがありすぎるくらい。
短編集なのに十分すぎるくらいの読後感。
ちょっと疲れると言ってもいいでしょう。
主人公の陰鬱とした内面を描いた作品が多く、
話として目立った展開があるわけではないですが、
日本語の表現力ってすごいんだ、
そう感じさせてくれます。