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2014-02-21

繊細で病的、センチメンタル イタガキノブオの世界

知名度は、低い。

でも、くせになる。

その独特の世界観が好きで
単行本、買い集めました(短編集は)。

イタガキノブオさん。
ファンタジー系の作品を得意とし、
「ガロ」などで活躍した方。


短編集は3冊しかありません、
しかもどれも絶版、
しかしプレミアもついていません。




ネガティヴ
ネガティヴいたがき のぶお

青林堂  1986-04
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ペーパーシアターペーパーシアター
イタガキノブオ

青林堂  1989-04
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キネマ・ルナティカ (ファンタジーコミックス)キネマ・ルナティカ (ファンタジーコミックス)
イタガキ ノブオ

偕成社  1996-10
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上記の中ではペーパーシアターが一番好きかな。


絵が、好きなんです。
話は、まるで難解な詩のような。
正直よくわからん。


でもなんでか、心に残るんです。

たぶんこれは、絵の力。

「銅版画のような」って、どこかのサイトで
表現されており、まさにその、繊細でありながら強い線が特徴かと。



※「ネガティヴ」より


※「ペーパーシアター」より


※「キネマ・ルナティカ」より




一方でギャグ?みたいな軽い作品もあります。








絵柄が多彩なのが、引き込まれる理由のひとつかと。




ただイタガキノブオさんは
5年ほど前に痴漢容疑で逮捕されており
その作品世界と容疑の乖離が激しすぎて
ガッカリした覚えがあります。
作品と作者の性格は別、と、今は思えるんですが。


2013-11-26

「修羅雪姫」上村一夫・小池一夫

古いマンガが好きです。

絵柄も話も、傾向として古いもののほうが好み。

で、絵がツボな漫画家さんに、
上村一夫さんがいます。
もう故人ですが、
「昭和の絵師」の異名をとった方。
たしか「寄生獣」でおなじみの岩明均さんも、
最初は上村さんのアシスタントだったはず。

日本画のような、
実に艶やかな絵を描く方です。

結構ヒット作も多く、実写化もされており
「同棲時代」「悪魔のようなあいつ」が著名でしょうか。



上村さんの作品は「詩的」なものが
多いように感じます。
特に原作がない、オリジナルストーリーの場合。

で、この修羅雪姫。
その詩的な絵と、アクション、そして
スピード感あふれる展開が味わえる作品。


修羅雪姫』(しゅらゆきひめ)は小池一夫原作、上村一夫作画による漫画週刊プレイボーイにて連載)、及びそれを原作とした映画
明治時代の日本。家族を殺され、悲惨な目にあった鹿島小夜は復讐相手の一人をどうにかしとめるが、獄中に入る。小夜は獄中で身篭り、産まれた女の子に雪と名づけ死ぬ。雪は剣豪でもあった道海和尚の元で厳しい修行を身に着け、自分を産んでくれた母に代わって復讐の旅を続ける。


まあこの主人公の「雪」が強い、強すぎる。
だいたいの話は1話完結で、殺し屋の雪の暗殺話。

依頼がある

敵地に潜入する

圧倒的な腕前で雪が敵を殺す

の繰り返しなのですが、
なぜだかおもしろい。
上村さんの絵がすばらしすぎるから。

絵だけで語れるというか、
セリフがなくてもかっこいい。







名作だと思っているのですが
Amazonには、中古しかないようですね・・・





2013-06-13

氷見ツアー2 藤子不二雄A先生の世界を満喫する

氷見は、藤子不二雄A先生の出身地です。

そのため先生協力のもと、
おなじみのキャラを使ったまちおこしが盛ん。

原画(複製)やキャラの像を展示した「潮風ギャラリー」があります。
元銀行を改装しただけ、
建物は驚くほどTHE銀行。


入場料、200円。










2階には、A先生のマンガが勢ぞろい!!


あーずっと読んでたい…
へたなマンガ喫茶より楽しいぜ…




ちなみに徒歩数分のところに
A先生の生家・光禅寺があり、

こんな石像が眺められますよ。喪黒!!

2013-04-25

「奇子」手塚治虫

手塚先生のマンガは、
名がしれているものは、だいたいおもしろい。


ブラックジャックやら火の鳥やら、
鉄腕アトムやらどろろやら…


いろいろ読んだ中で、
きちがい度と話のおもしろさバランスがいいなー、
と感じたのが、「奇子」(あやこ)。


奇子 (上) (角川文庫)奇子 (上) (角川文庫)
手塚 治虫

角川書店  1996-06
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奇子 (下) (角川文庫)奇子 (下) (角川文庫)
手塚 治虫

角川書店  1996-06
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呪われた出生を背負い、運命にもてあそばれる奇子。地方旧家、天外家の人々を核に、激動の戦後史を背景に、哀しくもたくましい奇子の運命を描いた感動巨編!



子ども厳禁なダークな作品。
ありとあらゆるタブーに挑んだような。

実際に戦後におきた「下山事件」なども
物語中に登場し、関連します。

そのため、まるでノンフィクションのような
リアルさをもった作品。もちろんフィクションですが。

ドロドロ&ドロドロ。
日本の家制度の悪しき部分、全開。








2013-04-23

「11人いる!」萩尾望都

昔、少女マンガが苦手でした。

ステレオタイプな少女マンガの表現
「お目目大きめ」「キラキラした目」
「蝶よ花よみたいな世界観」、
これらにアレルギー反応を示してしまっており、
避け続けていました。


大学のときに、タイトルに惹かれて
買った「11人いる!」。
※リンクのWikipediaはオチまで解説しています、注意!

11人いる! (小学館文庫)11人いる! (小学館文庫)
萩尾 望都

小学館  1994-11
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宇宙大学受験会場、最終テストは外部との接触を絶たれた宇宙船白号で53日間生きのびること。1チームは10人。だが、宇宙船には11人いた! さまざまな星系からそれぞれの文化を背負ってやってきた受験生をあいつぐトラブルが襲う。疑心暗鬼のなかでの反目と友情。11人は果たして合格できるのか? 萩尾望都のSF代表作。


これで、そんなステレオタイプな
「少女マンガ像」をぶっ壊されました。

と同時に、視野が狭まっていた
自分を恥じました。

こんなおもしろい作品を読まずして死ねるか。

そう思わせてくれる力をもった作品です。



絵は、いわゆる「少女マンガ」チック。


しかしそんなこと、まったく気にならないほど
ストーリーがおもしろい。
SFでもありながら、人間群像劇でもあり、
しかもドロドロもしている。


萩尾望都先生は天才ですね。

これ以降萩尾先生にハマりまくり
「トーマの心臓」「ポーの一族」「銀の三角」と
アレコレ読みふけりましたが
やっぱりいまでも「11人いる!」が一番好きです。







2013-04-10

「怪談 人間時計」徳南晴一郎

怪談人間時計 (QJマンガ選書)怪談人間時計 (QJマンガ選書)
徳南 晴一郎

太田出版  1996-11
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昔から狂気とか怒りとか、
そういった「負の感情」とされるものに
彩られた創作物が好きでした。

映像でも絵画でも、音楽でも、
そういった負の激情を感じられるものをいたく愛しています。

このマンガはそういった、
狂気のおもむくままに描かれたような作品です。

昔から、ときどき、むしょうに読み返したくなる。



ストーリーは不条理そのもの、
唐突な展開ばかり。
決しておもしろいとはいえないと思います。
それでもなぜ惹かれるのか。

やはり、絵です。

絵柄が、ドイツ表現主義のような。
映画「カリガリ博士」のセットをほうふつとさせる、ゆがみぐあい。
それが人物にもおよんでいる。






ほんとに頭がアレが人が、
感情のままに作品を書いたらこうなるのかな、
そう感じさせてくれる、貴重な作品です。

作者さんは2009年に亡くなっているそうです
今知りました。



2013-02-27

江戸がマンガでよみがえる 杉浦日向子

じぶんが好きな漫画家を
何人か挙げるとしたら、
必ず入れたい方。

好きすぎて、娘が生まれたら「日向子」にしようと思っていました。
(けっきょくやめちゃいましたが…)

若くして亡くなっていますが、
NHKのコメディー「お江戸でござる」の
コメンテーターだった方、といえば
分かる方も少なくないでしょう。

文筆家としても知られていますが、
そもそものデビューはマンガ。

健康状態の悪化により、デビューから10数年で
断筆してしまいますが、
その期間に描いたマンガが、どれもすばらしい。
唯一無二の世界です。




デビュー作「二つ枕」は、まるで浮世絵。




それをマンガにされた日には。



話に、目立った展開や盛り上がりがないけれど、
とにかく絵柄に圧倒されます。






絵は、時代とともに変化して、
個人的には「百日紅」(さるすべり)という作品のころが
絵柄も話も一番好み。




味がある、とは、こういうことをいうのだと思います。

そしてこの「百日紅」も、実に淡々とした話が続きます。
葛飾北斎とその娘お栄、そしてのちの渓斎英泉
この3人を軸に展開する物語。

通常物語とは、解決すべきカタルシスがあるものだと思います。
分かりやすい例だと、「敵を倒す」。
このマンガは、そういったカタルシスが、ほぼ、ない。
それなのに、おもしろい。
展開がゆるいのに、その空気感に魅入られる。



ただいわゆる分かりやすいマンガを
求める人には、向きません。
いわゆる「ガロ系」がいけるなら、これもいける。
そもそものデビューはガロだし。








二つ枕 (ちくま文庫)二つ枕 (ちくま文庫)
杉浦 日向子

筑摩書房  1997-12
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百日紅 (上) (ちくま文庫)百日紅 (上) (ちくま文庫)
杉浦 日向子

筑摩書房  1996-12
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百日紅 (下) (ちくま文庫)百日紅 (下) (ちくま文庫)
杉浦 日向子

筑摩書房  1996-12
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文庫がリーズナブルかつかさばらないのでおすすめ。

ほんとにはまったなら、全集ですな。
杉浦日向子全集 全8巻セット杉浦日向子全集 全8巻セット
杉浦 日向子

筑摩書房  1996-04-25
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2013-02-05

やっぱりホラーマンガの帝王 楳図かずお「おろち」

いわゆる「ホラーマンガ」が好きで
いろいろと買い集めてきました。

その中でもやはり楳図かずお先生は帝王であり、
基本にして究極といえます。

そしてその長いキャリアで、
数多くの名作を手がけた先生。
映画・ドラマ化もされた「漂流教室」、
評論家・呉智英が「日本で五本の指に入る名作」と
激賞した「わたしは真吾」、
自分にとってのウメズ原体験であり、
数多くの子供たちにトラウマを植えつけた「神の左手悪魔の右手」など。

どれも実に読みごたえがありますが
自分が一番好きなのがこちら。

おろち」です。


「おろち」という名の、不思議な力を持つ少女が
狂言回しとなり、さまざまな事件に首をつっこみ、
解決を助けたり助けられなかったり。

そういった小編が、いくつか続きます。

その事件も、殺人事件などもあれば
ほんとささいなこともあり。

これが好きな理由は、
あくまで市井の小さな物語であること、
そしてヒロインのおろちが何者なのか分からないままであること、
おろちがからもうが、結末は非常に暗いものであること。

いわゆるホラーものというより、
サイコホラーに近いかな。

絵はさすがの一言です。

若かりしころの先生。

この「おろち」は今でも簡単に入手できます、
特に「伝染るんです」などの装丁でおなじみの
祖父江慎先生が手がけたものが、超おすすめ。


2013-02-01

他人の夢の中にもぐりこむ感覚 逆柱いみり「馬馬虎虎」(MamaFufu)

いわゆる「理想」「目標」といった意味の「夢」ではなく、
寝たら見る夢って、支離滅裂でとりとめもない、混沌とした世界。

そんな夢の世界をマンガという形で
表現した人としては、つげ義春先生がつとに知られています。
「ねじ式」「必殺するめ固め」「ヨシボーの犯罪」…
非現実感あふれる名作ばかりです。


つげ先生だけでなく、夢の世界を描く
マンガ家さんはいらっしゃるでしょうが、
個人的に同じくらい好きなのが、
今回ご紹介する「逆柱いみり」(さかばしら・いみり)先生。

Wikipediaより。

逆柱 いみり(さかばしら いみり、男性、1964年7月14日 - )は、日本漫画家イラストレーター静岡県静岡市出身。ペンネームの由来は「逆木の柱」と「いみり(ひびという方言)」から。デビューしてから数年は、望月勝広名義で作品を発表していた。
主に青林堂、青林工藝舎などで作品を発表する寡作な作家であり、出版物は絶版などで手に入りにくい。



こちらは夢マンガの名人、
というかそういう作品しか描いてないんじゃないか?

Wikipediaにもあるように、かなり寡作で、
しかも初期作品はプレミアがついているものばかり。
特にデビュー作の「象魚」、3作目の「ケキャール社顛末記」は
かなりのレアものです。

しかし、それらより、俄然、
今回ご紹介する「馬馬虎虎」のほうがおすすめ。
こちらは前者より入手しやすいです。それでもレアだけど。


表紙の絵で垣間見えるように、
ありえないけれど、SFめいてもいない、
まさに夢の中の世界。



描かれている世界も、
「どこでもない、どこか」。
中国圏のテイストが強いですが、
アジアのいろんなところの要素がごちゃまぜになったような。

人の夢の中に入ったら、
こんな感じだろうな、そういった世界が広がります。


話に、盛り上がりや展開はほぼありません。
シュールですらあります。
読む人を選ぶマンガではありますが、
この奇妙な世界観、ハマるとクセになります。


空の巻き貝空の巻き貝
逆柱 いみり

青林工藝舎  2009-07
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これはいまでも入手可能なようですね。



2013-01-17

エログロ・ナンセンスな冒険活劇・谷弘兒の世界

私、昔からマンガが好きで、
いろいろと節操なく読んできました。

大学時代には、マニアックなもの、
いわゆるひとつの「ガロ系」にはまり、
大枚をはたいたものです。

そんな本の数々は、
いまでも無性に読み直したくなることがあります。

で、先日読み返したのが、こちら。





「薔薇と拳銃」。
谷弘兒(たに・ひろじ)、著。
1冊完結の単行本(巻末に短編も併録)。


この谷先生は、とにかく単行本のリリースが少ない。
70年代には、ガロに不定期に連載していたようです。
決して評価されているとはいえないかもしれませんが、
不思議な魅力をもつマンガを生み出しています。

何がいいって、絵柄。

どうですか、この書き込み具合。

特徴的でありながら、でもやっぱり一般受けしなさそうな。
シンプルの対局にあるような。


また、物語も、実にヘン。

私立探偵「陰溝蝿兒」(かげみぞ・ようじ)を主人公に、
彼の活躍を描いたお話。
基本的に、冒険活劇モノですが、
登場人物がほぼ変態。
主人公ですら、殺人狂。

そして探偵の敵となる存在も、荒唐無稽。
SFか!といいたくなるような。
設定がかなり空想的で、異空間。

しかしそれでも、なぜかおもしろい。
というか、話に勢いがすごくあり、
過度に暗くならず、あくまでも「冒険活劇」になっています。


薔薇と拳銃薔薇と拳銃
谷 弘児

青林堂  1993-05
売り上げランキング : 653944

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残念ながら、絶版。
しかし、中古なら入手できます。
そこまで「カルト」な存在になっていないため、
割とお手頃価格で入手できるかも。





また谷先生は、活動初期、
自身が生み出したキャラクターと同じ名前
陰溝蝿兒」をペンネームとして使っています。
こちらの作品集も実に味わい深い。

こちらも、同じく探偵モノ。
というか主人公の名前が同じ。
キャラ設定や外見は違いますが。

絵が、よりすごいことに。



コレ。

通常、マンガのコマをとるときは
線が一般的ですが、まさかのツタ状。
何がなんだか分からないことに。
しかも星も飛んでるし。

物語の勢いや猟奇性は「薔薇と拳銃」に劣るものの、
相変わらずの登場人物の変態っぷりが楽しめます。



谷先生の著作では、こちらがAmazonでも入手できます。
快傑蜃気楼(ミラージュ)快傑蜃気楼(ミラージュ)
谷 弘児

青林工芸舎  2002-02
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ちょうど「薔薇と拳銃」の直前に書かれた作品。
舞台はほぼ同じ、登場人物も少し重複します。





谷先生、いったいいまは何をしているか調べたら
現在、横浜のホテルでゴミ処理の仕事に従事。
って…

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