呪われた中国人―“中国食人史”の重大な意味 (カッパ・ブックス) | |
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タイトル負けしてない、
実にまがまがしい一冊。
読みごたえありすぎ。
著者は台湾人の方。
しかもいわゆる
"中国国民党と一緒に来た中国人(外省人)"
とは違い、もともと台湾に住んでいた民族。
日本支配時代も、
中華民国時代も知っている人で、
そんな著者が研究のうえで
「中国は食人が欠かせなかった」という
考察をまとめた一冊。
孔子は人肉の塩漬けが好きだったとか
権力が次々入れかわる中国においては
支配するという意味で人肉食が一般的だったとか
人口が多すぎて飢饉のたびに人肉が行われたとか
そういった重い話が次から次へと繰り出されます。
重い。
論理展開が急すぎる部分も、なきにしもあらず。
結論ありきで書かれた文章という印象ですが
とにかく食人の情報がとんでもない量なので
それに圧倒されて読み進んでしまいます。
中国は昔から皇帝という独裁者が支配する国で、
その伝統が今もなお残るため、
いまの共産党独裁も、国にとって自然な形なのかと納得できました。
中国を知るためには、
この食人史、知っておくべきでしょう。
絶版なのが惜しい。