壁 (新潮文庫)
ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った芥川賞受賞の野心作。
難解な小説でした。
これは読みづらい。
しかし内容は引き込まれるものがあるというか
不条理・シュールの極み。
一度読んどいて損はないけど
シュールレアリズムが苦手な人は、
最初の10ページ程度で挫折しそう。
しかもこれで1つの話かと思ったら短編・中編集。
完全に独立した話が5つ。
読みやすさと物語性、
そしてシュールさが同居したという意味では
確かに「砂の女」のほうが
代表作とされる理由が分かりました。
砂の女 (新潮文庫)