2014-06-05

「捨てる女」内澤旬子

捨てる女
4860112482

「なんでも貰う拾う集める貯める暮らしから、捨て暮らしに一転したあたしの人生。捨てるものがなくなったそのとき、雲水のごとく自在になるのか、それとも真っ白い灰になって燃え尽きるのか、さっぱりわからないまま、今はとにかく捨て続けるしかないのでありました」(本文より) 『身体のいいなり』の次は"気持ちのいいなり"となった著者が、生活道具や家具などから自ら長年蒐集してきたお宝本まで大放出する捨て暮らしエッセイ。「本の雑誌」大好評連載「黒豚革の手帖」、ついに単行本に!


ものが捨てられない人は、一度読んでもいいかも。

イラストルポライターの著者が、
乳ガンを患ってから、気持ちに大きな変化が表れ、
それまでは「ものをため込む」のが好きだった人が
その状態が一気にイヤになってしまい、アレコレを捨てていく。

ただ「片づけ手本」みたいな本ではないです。
あくまで読み物、
物持ちの人(しかも本中心)なら共感できそうなこと多々。

雑誌連載の単行本化なので、ドキュメンタリーのよう.。
連載中に東日本大震災が発生して
そのときの心境までリアルにつづってあります。

なぜ、ものを持ちたがる人が、捨てたがる人になったのか、
それは病気もありますが、
捨てることに快感を覚えたから、という旨の描写がリアル。
確かに、物持ちはリセット願望があるように思います。
持ってるものは好きで集めたものなのに
全部なくなったらいっそすっきりする・・・という思い。
その前後の心理描写が、とても読みごたえがありました。



このブログを検索