嘘をついた男
生活すべてが「ウソ」だった
実在の人物をもとにしたノンフィクション。
作家が手紙のやりとりを経て執筆。
よくそこまでウソをついて生きていけるな!
大変読みごたえがある1冊。
私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)
さすが作家さん、読みやすいことこのうえなし。
人間の単位を「個人」ではなく
「分けられる」分人と考えてみては、
という本。
人は「ほんとうの自分」なんてなく、
ほかの人たちとの関わり合い、
それぞれに「分人」があり、その集合体で
自分自身ができている、という考え方を解説。
人づきあいが苦手とか自分探しとか
そういったキーワードにピンとくる人は読む価値あり。
世界の文学セレクション36 (3)
セルバンテスのドン・キホーテ。
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」に大変ハマりましたが
なぜあんな難解な本が、本国では
「ソーセージ並みによく売れた」(Wikipediaより)のか
不思議で仕方なかったのです。
いろんな評論を読んで、
「スペイン語圏の人たちには
ドン・キホーテという土壌があるから
シュールな物語も受け入れられやすい」
という旨に興味を持ち、じゃあ読んでみようじゃないかと。
上記の全集は、一部削除してありますが
それでも読みごたえ十分すぎる。
そしてそのシュールな話の展開に納得。
変。つかみどころのない話が次々と。
超現実的、マジック・リアリズムが好きな人は
たぶんおもしろく読めます。長いけど。
バベットの晩餐会 (ちくま文庫)
デンマークの作家イサク・ディーネセン(変名いろいろあり)の作品。
淡々とした描写が続く、でもそれが厭味ではない。
盛り上がるようで盛り上がりきらない、
不思議な物語。
鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫)
ミヒャエル・エンデの短編集。
超シュールかつ空恐ろしくなるような話ばかり。
話によって好み・そうでないものの落差が激しいが
全般的にそのシュールさがとても好き。