フォトジャーナリズムの世界でもっとも有名かつ最高峰といわれる「崩れ落ちる兵士」。だが、誰もが知るこの戦争写真には数多くの謎がある。キャパと恋人ゲルダとの隠された物語がいま明らかになる。
名著。
すばらしいルポタージュ。
あまりのおもしろさに
一日で読んでしまいました。
戦場カメラマン、ロバート・キャパ。
その名を世界的に知らしめた
写真「崩れ落ちる兵士」。
これは、兵士が撃たれた瞬間を
とらえた写真とされてきましたが、
やらせ説も根強く、実際そういう論もあるそうで、
著者はそれをふまえたうえで調査を重ね
真実はなんだったのか解きあかす、
そのようすをこまごまと描いた一冊です。
前にNHKでやってたドキュメンタリーの書籍版、
というかこの本の内容をもとにドキュメンタリーも構成されています。
そのため内容はほぼ同じ、
本のほうが解説が詳しい分、番組よりは間延び感があるのが
否めませんが、それでもルポとして極上。
基本的に沢木さんの一人称で描かれています。
そのためか、臨場感があります。
ミステリー小説っぽさすら、感じる。
読んどいて損はない。
また本のデザインもかなり好みでした。
紙が上質で白さが際立ち、
過度な装飾もなく、文に集中できます。