怪談人間時計 (QJマンガ選書) 徳南 晴一郎 太田出版 1996-11 売り上げランキング : 257314 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
昔から狂気とか怒りとか、
そういった「負の感情」とされるものに
彩られた創作物が好きでした。
映像でも絵画でも、音楽でも、
そういった負の激情を感じられるものをいたく愛しています。
このマンガはそういった、
狂気のおもむくままに描かれたような作品です。
昔から、ときどき、むしょうに読み返したくなる。
ストーリーは不条理そのもの、
唐突な展開ばかり。
決しておもしろいとはいえないと思います。
それでもなぜ惹かれるのか。
やはり、絵です。
絵柄が、ドイツ表現主義のような。
映画「カリガリ博士」のセットをほうふつとさせる、ゆがみぐあい。
それが人物にもおよんでいる。
ほんとに頭がアレが人が、
感情のままに作品を書いたらこうなるのかな、
そう感じさせてくれる、貴重な作品です。
作者さんは2009年に亡くなっているそうです、
今知りました。