2012-09-24

カナザワ映画祭「地下幻燈劇画・少女椿」

こんなに映画に打ちのめされたのは、いつ以来だろう。

映画を見て手まで、指先まで、衝撃のあまり
ふるえたのはいつぶりだろう。

そんな貴重な時間を、先日過ごしてきました。

今年のカナザワ映画祭のフィナーレを飾った
地下幻燈劇画・少女椿」という作品。

丸尾末広のマンガを映画化した狂気の一作。

そのすごさは、カナザワ映画祭の解説文によく記されています。

異色漫画家・丸尾末広原作。母を亡くした薄幸の美少女・みどりちゃんが「花をたくさん買ってくれた親切なおじさん」を訪ねる。しかしそこに待ち受けていたのは見世物小屋の狂気の世界だった・・・
一般公開はとても不可能といわれる奇形・内蔵露出・強姦・児童虐待・動物虐待・殺人等タブー描写のオンパレード。実際にオリジナルフィルムは成田税関で没収されており、国内ではほぼ封印されている伝説のアニメーション。 謎と怪奇、グロテスクなエロに満ちた本作品、ただスクリーン上で展開されるのみではない。どんな仕掛けがなされるか、是非ご来場を!


自分、丸尾末広が大好きで、
この映画のうわさも10年以上前に聞いたことがあり、
興味がありすぎでサントラを買ったほど。


今回の上映は、実に国内で8年ぶりとなる機会。
それが金沢で。


喜びいさんで行ってきたね。

当日は朝10時から整理券が配布されており、
自分は仕事を急いで切り上げ18:30ごろ整理券を受け取る。
なんと126番・・・キャパ90席のため、見られるかどうか微妙。

にもかかわらず、直前にはなんと200人近くが行列をつくっており、
これ絶対全員入れないだろうという状況に!!

入場が始まると、案の定90番まではすいすい入れるものの
その後はちょっと待たされ、やきもきすることしばし。

整理番号140番台の人まで、立ち見ながら入ることができました!!


で、入場。
したらなんと入り口に眼帯をして軍服を着た男性が。
これも演出か!!
しかも劇場内では、セクシーなお姉さんが目隠しをしながら
スクリーンの前で横たわっており。
狐のお面をかぶった全身タイツの人がいたり、
鈴をならしながら奇妙な動きをするお面の人がいたり。
なんじゃこりゃ。見せ物小屋のよう。

しばらくすると映画が上映開始。

絵が、絵がやばい。
書き込み具合がおかしい。

ストーリーは、ほぼ原作通り。
かなり忠実に再現されていますが、
丸尾先生の絵が動く、その時点でやばい。

今回の上映版は映倫通過版ということで
性器や内臓などのエログロ描写にはぼかしがかかっていますし、
かたわ・めくらなどの言葉は聞こえないようになっています。

しかし、そんなことは気にならないくらい、迫力がある。

制作者の怨念、狂気をビシバシ感じます。


そうこうすると、とあるシーンにさしかかったとき・・・
いきなり会場に爆竹(?クラッカー?)がバーンと!!
そして紙吹雪が舞う舞う舞う!!
完ッ全に油断してたのでびびった。
しかしその演出が実に映像とマッチしていて、
それにも度肝を抜かれました。


ただの映像だけでなく、
劇場内での演出もある。
それがこの作品の大きな特徴です。
これは体験しないと分からない。

とにかく感じたのは制作者の強い思い。
しかもそれが狂気じみている。
こんなに怨念とか怒りとか負の感情をおぼえさせられる映画、
なかなかあったもんじゃありません。

これは伝説になるのも分かる、すごい体験でした。

映画見終わったあとも、しばらく夢見心地だったほど。

こんな映画を見せてくれて、カナザワ映画祭、ほんと最高です。


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