いろいろと節操なく読んできました。
大学時代には、マニアックなもの、
いわゆるひとつの「ガロ系」にはまり、
大枚をはたいたものです。
そんな本の数々は、
いまでも無性に読み直したくなることがあります。
で、先日読み返したのが、こちら。
「薔薇と拳銃」。
谷弘兒(たに・ひろじ)、著。
1冊完結の単行本(巻末に短編も併録)。
この谷先生は、とにかく単行本のリリースが少ない。
70年代には、ガロに不定期に連載していたようです。
決して評価されているとはいえないかもしれませんが、
不思議な魅力をもつマンガを生み出しています。
何がいいって、絵柄。
どうですか、この書き込み具合。
特徴的でありながら、でもやっぱり一般受けしなさそうな。
シンプルの対局にあるような。
また、物語も、実にヘン。
私立探偵「陰溝蝿兒」(かげみぞ・ようじ)を主人公に、
彼の活躍を描いたお話。
基本的に、冒険活劇モノですが、
登場人物がほぼ変態。
主人公ですら、殺人狂。
そして探偵の敵となる存在も、荒唐無稽。
SFか!といいたくなるような。
設定がかなり空想的で、異空間。
しかしそれでも、なぜかおもしろい。
というか、話に勢いがすごくあり、
過度に暗くならず、あくまでも「冒険活劇」になっています。
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残念ながら、絶版。
しかし、中古なら入手できます。
そこまで「カルト」な存在になっていないため、
割とお手頃価格で入手できるかも。
また谷先生は、活動初期、
自身が生み出したキャラクターと同じ名前
「陰溝蝿兒」をペンネームとして使っています。
こちらの作品集も実に味わい深い。
こちらも、同じく探偵モノ。
というか主人公の名前が同じ。
キャラ設定や外見は違いますが。
絵が、よりすごいことに。
コレ。
通常、マンガのコマをとるときは
線が一般的ですが、まさかのツタ状。
何がなんだか分からないことに。
しかも星も飛んでるし。
物語の勢いや猟奇性は「薔薇と拳銃」に劣るものの、
相変わらずの登場人物の変態っぷりが楽しめます。
谷先生の著作では、こちらがAmazonでも入手できます。
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ちょうど「薔薇と拳銃」の直前に書かれた作品。
舞台はほぼ同じ、登場人物も少し重複します。
谷先生、いったいいまは何をしているか調べたら
現在、横浜のホテルでゴミ処理の仕事に従事。
って…