近年差別用語として使われなくなっている
「きちがい」などの表現。
具体的にどのような変更がされているのか
実際に検証してみました。
ソースは諸星大二郎先生の「生命の木」という短編です。
「生命の木」が初めて単行本に載った「妖怪ハンター」と
妖怪ハンターがシリーズ化してから出た「妖怪ハンター地の巻」。
「妖怪ハンター」は1978年の初版。
「妖怪ハンター地の巻」は2005年の初版。
1978年版では
「白痴」だったのが
2005年版は「痴呆」に。
1978年版では
「きちがいか白痴」が
「知的障害者」に。
ちょっとこの表現は無理がありますね。
「みんなきちがい」が
「こんなことがあるものか!」に。
これでは意味合いも違ってくるような。
「白痴同然」が
「知能の低い」に。
どれも決して言い代える必要がないような言葉。
きちがいという言葉を恐れすぎではないでしょうか。
そもそも白痴がダメなら坂口安吾の「白痴」もダメだろうし…
「言葉狩り」といわれるように
いろいろな言葉が問題にされ、使われなくなる。
しかしこれこそが最大の問題。表現の幅が狭まるのでは。