2013-07-24

「キャパの十字架」沢木耕太郎




フォトジャーナリズムの世界でもっとも有名かつ最高峰といわれる「崩れ落ちる兵士」。だが、誰もが知るこの戦争写真には数多くの謎がある。キャパと恋人ゲルダとの隠された物語がいま明らかになる。


名著。
すばらしいルポタージュ。

あまりのおもしろさに
一日で読んでしまいました。


戦場カメラマン、ロバート・キャパ。
その名を世界的に知らしめた
写真「崩れ落ちる兵士」。






これは、兵士が撃たれた瞬間を
とらえた写真とされてきましたが、
やらせ説も根強く、実際そういう論もあるそうで、
著者はそれをふまえたうえで調査を重ね
真実はなんだったのか解きあかす、
そのようすをこまごまと描いた一冊です。


前にNHKでやってたドキュメンタリーの書籍版、
というかこの本の内容をもとにドキュメンタリーも構成されています。
そのため内容はほぼ同じ、
本のほうが解説が詳しい分、番組よりは間延び感があるのが
否めませんが、それでもルポとして極上。

基本的に沢木さんの一人称で描かれています。
そのためか、臨場感があります。
ミステリー小説っぽさすら、感じる。


読んどいて損はない。

また本のデザインもかなり好みでした。
紙が上質で白さが際立ち、
過度な装飾もなく、文に集中できます。



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