「細雪」谷崎潤一郎

細雪 (上) (新潮文庫) 谷崎 潤一郎 新潮社 1955-10 売り上げランキング : 77617 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools

長かった…谷崎先生の全3巻の小説です…
2カ月かかった。

娘ちゃんの世話のかたわら、時には抱っこしながら読み進めました。


大正～昭和の日本、舞台は主に関西。
そこそこいい暮らしをしている3姉妹の生活を切り取った物語です。
3姉妹のうち下の二人は未婚で、
真ん中の姉の見合い話が主なテーマ。

はっきり言って、淡々としすぎているくらい日常を描いた内容。
まるで他人の生活を覗き見しているような感覚に陥るくらい
日常のあれこれが描かれています。

目立った展開は、ほぼ皆無です。驚くほど。
それでも谷崎先生の流麗な文章がすばらしいので
読み進められます。
セリフが関西弁で、これが非常に美しい。

谷崎先生の文章を楽しむのと
大正～昭和の上流階級の暮らしを知るために
非常にいい本ですが、それらに興味がない限りは
とても退屈な本だと思います。全3巻だし。

終わり方はすごく唐突で
「えっ終わり?」といいたくなるほどでした。
そういう意味でも日常をすっぽり切り取った小説。