2012-04-20

「金色の死」谷崎潤一郎

金色の死 (講談社文芸文庫)金色の死 (講談社文芸文庫)
谷崎 潤一郎 清水 良典

講談社 2005-03-11
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敬愛する谷崎先生の、初期短編集。
大正時代の作品にしぼられています。

これ、表題作の「金色の死」が出色、
これだけでも読むべき。

巻末解説によると、あの江戸川乱歩の怪作「パノラマ島奇譚」の元ネタになったそう!!
(乱歩はこれに着想をえたらしい)

エログロナンセンス、大正時代の変な雰囲気。
それがよく出ている一編です。
谷崎先生ご自身は全集への収録を見送ったそうで、
本人からしたら納得がいかない作品なのでしょうか
それがどうして、短い中に引き込ませる力がある。

ほかの作品も、マゾヒズムやフェティシズムなどなど
のちのちの谷崎先生らしさを
想起させるものが多いです。

しかし、ちょっと尻切れトンボな終わり方が多い印象。
ファンならぜひ、初めて谷崎先生を読む人は
ほかの作品からスタートしてほうがよさそう。

が、初心者もこの表題作はぜひ。

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