原子力とどうつきあうか―JCO臨界事故体験 (ちくまプリマーブックス) 住田 健二 筑摩書房 2000-09 売り上げランキング : 138692 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
先日図書館で見つけたので借りた本。
JCOの事故の被害収束のために
現場で活動した学者さんが、中学生向けに書いた一冊。
非常に平易で読みやすいです。
構成としては、
①いかに臨界事故を解決したか
②今後日本はどうするべきか
という2本立てになっています。
臨界事故のほうは非常にドラマチック。
発生からいかに解決に向かっていったか
当事者の立場から書いています。
後半は、まあ原子力の学者さんらしく
「30%は原子力発電に依存している以上
いますぐ原発をなくすのは現実的でないのではないか」
という結論でしめています。
この本にも、シーベルトやベクレルなど
最近ニュースで盛んに報じられる単語が出てきますが
その数値が、いまの福島原発に比べて非常に少ない。
それでも国家をゆるがすレベルの事故だった。
いまがいかに異常なのか、この本を通して
推測することができます。
今週頭には、チェルノブイリと並ぶ
事故レベル「7」に引き上げられたように
収束なんかしていない。
これからわが国は数年、放射能汚染された国として
見られるのは避けられないでしょう。
現状を冷静に見るつもりで読んだ本ですが
ますます悲観的になってしまいました。しかしこれが現実。