平野甲賀 装丁術―好きな本のかたち (シリーズ日常術) 平野 甲賀 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本の装丁で知られる平野甲賀(ひらの・こうが)さんの
本を読みました。
独特な手描き文字で本の表紙をデザインする方です。
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平野さんの仕事に対する思いが
語り口調でつづられています。
これがとてもおもしろかった!!
平野さんは、ご自分のことを
芸術家ではないとおっしゃる。
あくまで職人、デザイナーだと。
非常にぐっと来た言葉がありました。
「僕は他人のものを並べて表現する
根っからのデザイナー」だと。
そう、アーティストのように自分の中に
あるものを表現するのではなく、
他人のものを解釈して表現する。
これは自分にとって、とてもぐっと来た一言です。
自分も、正直いって職業編集者・ライターです。
この仕事をずっと続けているうち、
自分の中にあるものを文にして出すのが苦手になってきました。
ほかの方に取材した話を文にまとめることは、
いくらでもできるのに…
それでいいのか、と、ずっと悩んでいたのですが
それでいいんだ、と。
職人というものは、そういうものだと。
平野さんのこの本に、気づかされました。
気持ちが軽くなりました。
もちろん自分の中にあるものも
上手に表現できるにこしたことはないので
これからもあれこれがんばってみます。