2009-09-28

「A」森達也

「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔 (角川文庫)
「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔 (角川文庫)
おすすめ平均
stars事件の土台について
stars仏教思想とその視点について
stars「やはりインタビューはわたしにしてください。」
stars引き戻してくれる大切な一冊
stars自分の頭で考えることの大切さと難しさに気づかされる

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ドキュメンタリー映画監督の本を読みました。
オウム真理教のドキュメンタリー「A」の撮影日記です。

いかにして撮影に入ったか、そして撮影中どのように感じたか
森監督の個人的な事情も書かれながら時系列通りに進んでいます。

撮影は、地下鉄サリン事件以降。
つまりマスコミから総バッシングを受けているときです。
森監督は事実だけを撮るためにオウムの施設の中に入り
信者たちの話を聞き、修行の様子を見、信者と生活をともにしています。
なので森監督もまるでオウムの人間のような視点で
マスコミを見つめています。
マスコミの狂気と、オウムの意外なまでの理性がよく対比されていて
かなりドキドキしながら読み進めました。

オウムを肯定もせず否定もせず事実をとらえた映画の
舞台裏をリアルに描いた一冊です。
マスコミ報道だけでは分からないオウムの姿がここにあります。
マスコミを100%信じるのではなく、自分の目で見
考え行動することが大切だと感じました。

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