廓のおんな (1980年) 井上 雪 朝日新聞社 1980-11 売り上げランキング : 516117 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
もう亡くなられた金沢の女性俳人のエッセイ。
実際に東の廓=茶屋街で、戦前から芸妓(げいぎ)として
働いていた方へインタビューした内容をまとめた本です。
井上さんの主観もときどき混ざるルポ風。
元芸妓の方のセリフはすべて金沢弁で書かれています。
この芸妓の方、生家が貧乏で父親に勝手に
廓に売られてしまい、そこから芸妓見習いとして
芸を磨き続け、戦前だったので身売りも合法だったとか
結構ヘビーな内容ですが、さらっと書いてあるので
そこまで重いふうではありません。
戦前の金沢の姿も描写されているので
地元っ子なら興味深く読めます。
金沢弁が出てくるので県外の方には読みづらいと思います。
金沢の歴史に興味がある人から
おもしろく読めます。
日露戦争でロシア人捕虜が金沢にたくさんいたとか
知らなかったことがたくさん。
金沢の図書館ならおいてありますよ。