わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004)) ガブリエル・ガルシア=マルケス 木村 榮一 新潮社 2006-09-28 売り上げランキング : 108736 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ガルシア=マルケスの、現時点での最新の小説。
2004年の作です。
タイトルから、エッセイかルポと思ったら違う。フィクション。
これ、書き出しがすばらしい。
「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた」
この狂気。猟奇。
この一文だけで、これがありきたりの小説でない、
ということがあらわれていると感じます。
物語の内容はこちら。Amazonより。
これまでの幾年月を表向きは平凡な独り者で通してきたその男、実は往年夜の巷の猛者として鳴らしたもう一つの顔を持っていた。かくて昔なじみの娼家の女主人が取り持った14歳の少女との成り行きは…。悲しくも心温まる波乱の恋の物語。
独身をつらぬき、90歳になった新聞記者・ライターを主人公に、
娼婦との愛について描かれています。
想像以上に純愛の物語ですが、やっぱりちょっと変。
ゆがみ、とでもいえばいいのか。
それがとても心地よい、マルケスならではの世界観。
中編程度の長さですし、ライターが執筆しているていなので
文体が非常に読みやすいですよ。