2011-06-30

「予告された殺人の記録」G. ガルシア=マルケス

予告された殺人の記録 (新潮文庫)予告された殺人の記録 (新潮文庫)
G. ガルシア=マルケス Gabriel Garc´ia M´arquez

新潮社 1997-11
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コロンビアの作家・ガルシア=マルケスの小説。
中編で、それほどボリュームはありません。

実際にあった事件をもとに、綿密な取材を経て書かれた物語。

これはすばらしい小説、
なんというか空気感というか。
陰鬱とした雰囲気が行間から伝わります。

また人間のおろかさや、もろさなど
暗い面がよく出ています。

淡々とした描写が続きますが
すらすらと読みやすい。
でもドラマチックさも感じる。
文章が、区切れがよくてさらっと読める。
翻訳物って、たいてい小難しい表現になっているのに
これはそれがない。

表現と物語の構成について、いろいろ衝撃を受ける一冊でした。


あとがきによると、ガルシア=マルケス自身
この作品を「最高傑作」と思っているそうです。
それもうなずける完成度でした。
退屈するところがまったくない。

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