2013-09-04

「死体入門」藤井 司




法医学者さんの、
大変ドキッとさせられる
センセーショナルなタイトルの一冊。

内容は、まさにタイトル通り。
死体とは何か、
どんな死体があるか、
ミイラの種類、
死体の活用方法まで。
死体について、アレコレ書いたもの。

100年後、今日出会った人はほぼ全員死んでいる。本書を手にしているあなたも例外ではない。誰もが必ず死ぬ。しかし、私たちは死について、どれだけのことを知っているのだろう?死ぬとはどういうことか?人は死んだらどうなるか?ミイラや永久死体は、どうやって作られるのか?死とそれに関する研究を知ることによって、生きるということを見つめ直す。


人は死体に惹かれる。
ツタンカーメン展など
ミイラを展示するイベントに人が集まるのはその証左だと。
この語りだしが非常に衝撃的ですが
ぎくりとさせられました。

筆者は、いまの日本はあまりに死体に触れない、
しかし人は誰でも死体になる、
過度にタブーにした現状に風穴をあけたい、
そんな気持ちで執筆したそう。

死体に興味を持つことは、タブーではない。
むしろ将来の自分の姿にである死体に
もっと関心を寄せるべき。
そう感じる本です。


ただそんなにくそまじめな内容ではなく
読み物として適度な読みやすさがあり、
豆知識もいっぱい。
たまにミイラのイラストが出てきたり、
豚の腐敗実験の写真(遠目でしかも白黒)が
出てきたりする程度。
グロテスクではなく、
まさに、死体の知識の「入門」といえる良書です。



このブログを検索